「積思花顔競」(つもるおもいはなのかおみせ)

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2018年の超歌舞伎は、新作『積思花顔競』(つもるおもいはなのかおみせ)。
歌舞伎ファンにはおなじみの顔見世舞踊の大作『積恋雪関扉』(つもるこいゆきのせきのと)に着想を得た、超歌舞伎ならではの作品です。

今回の作品では、中村獅童さんが超歌舞伎で初めての悪人役である惟喬親王(これたかしんのう)に挑むほか、これに敵対する良岑安貞(よしみねやすさだ)の二役を演じます。
また初音ミクさんも獅童さん同様に、安貞の許嫁である小野初音姫(おののはつねひめ)と、白鷺(しらさぎ)の精霊の二役を演じ分けます。

主人公のひとりである惟喬親王は、平安時代初期に実在した人物で、文徳天皇(もんとくてんのう)の皇子のひとりです。異母兄弟の惟仁親王(これひとしんのう)の外祖父が藤原良房(ふじわらのよしふさ)であったことから、惟仁親王が皇位を継承し清和天皇(せいわてんのう)となり、惟喬親王は不遇の内に世を去ったと伝えられています。

歌舞伎では古くから、「御位争い(みくらいあらそい)」と称して、惟喬親王と惟仁親王が帝の位を巡って争った物語が数々作られました。こうした作品では、必ず惟喬親王が悪人として、惟仁親王が善人として描かれていました。
また「御位争い」の作品では、ヒロインとして、絶世の美女である小野小町(おののこまち)がしばしば登場します。今回の超歌舞伎作品で小野初音姫が小町の娘になっているのも、こうしたことをふまえています。

そして今回の超歌舞伎では、冒頭に『お祭り』をもとにした超所作事(ちょうしょさごと)『祝春超歌舞伎賑』(またくるはるちょうかぶきのにぎわい)が上演され、中村獅童さんが超歌舞伎の舞台に戻ってくることと、超歌舞伎三年目の春を祝い寿ぎます。

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