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当日レポート

ご来場の御礼と少しのアピール

 実際に現地にお越しくださったみなさま、ネットからご参加いただいたみなさま、ご来場ありがとうございます。昨年から超会議に登場した、「超テクノ法要×向源」お楽しみいただけたでしょうか。

 担当者の欲目かもしれませんが、光とテクノ音楽にのせた僧侶たちの読経が、装飾を完全に廃した白一色のステージに現出させる極楽浄土の世界には、昨年を圧倒的に上回るナムさがありました。
 2日間の開催期間中、幾度もこの世界に触れたためあやうく成仏しそうになりましたが、なんとかこらえて日程終了まで乗り切ることができました。それほど強烈なインパクトを残すステージだったので、ネットから生放送でご参加頂いたみなさまの中には、幾人かおもわず成仏なさった方もいらっしゃったかもしれません。ステージの様子は生放送タイムシフトやネット上の動画、さまざまな記事などでご覧になれますので、この文章にアクセスしながらも「テクノ法要みてないわ」というちょっと奇特なみなさまは、「超テクノ法要2019」でniconicoやYouTube、Twitterなど様々なサービスで検索をかけてみていただければと思います。

 さて、ネットからご参加いただいたみなさま、このきらびやかな極楽浄土の世界の下(ステージ的な意味)で、「サイレント座禅」や「お坊さん・牧師さんと話そう」「リアルタイム仏像制作」「入れる仏壇フォトスポット」などのちょっと地味(ごめんなさい)な企画が同時に行われていたことをご存知でしょうか。幕張メッセにご来場いただいたみなさまの中には、実際に体験されたかたもいらっしゃったと思いますが、その際、会場にふわっと漂っていた線香の匂いには気づいていただけたでしょうか。
これらの企画や演出は、協力していただいている寺社フェス「向源」が手がけているものです。去年もほぼ同様の形で実施していたのですが、なんらかのメディアを通しては伝えにくい部分ということもあって、また、どうしても「テクノ法要」のインパクトに目を奪われてしまうため、多くはテクノ法要にのみ言及したものでした。今年「超テクノ法要×向源」を目指してお越しいただいたいた場合でも現地に来て初めて、テクノ法要以外の企画があることを知った方も多いのではないかと思います。「超テクノ法要×向源」は「テクノ法要」と「向源」の「体験」が2つ揃って成り立つ場所として設計しています。ということで、でしゃばりを自覚しつつも「テクノ法要以外の雰囲気」をこのレポートを通してお伝えしたいと思っています。といいつつ、すべての企画に触れていくのは文量、労力の両面からさすがに憚られますし、すでにレポートの締切を破っているということもあって、エピソードひとつだけの紹介にとどめてここからの所要時間と文量の削減を図りたいと思います。

 「お坊さんが足りません!」ニコニコ超会議2日めの午後、スタッフからこんなメッセージがとどきました。「お坊さん・牧師さんと話そう」の現場で、疲弊したお坊さんたちがバタバタと倒れているというのです(多少誇張あり)。この「お坊さん・牧師さんと話そう」は、お坊さんや牧師さんたちがパイプ椅子に座っているだけというニコニコ超会議全体でも一、二を争う地味な見た目の企画(ごめんなさい)です。しかし、なんだかんだでみなさまも悩みのひとつやふたつは抱えているでしょう、実は2日間で数百人がここでお坊さん、牧師さんに話を聞いてもらうという隠れた人気企画だったりするのです。普段から人々の声に耳を傾けている彼らですが、様々な音に囲まれたニコニコ超会議の会場という場所では、実際に身を寄せるようにして人々の話に耳を傾けます。なかには相当に重い話をされる来場者もいるそうで、2日間をとおしてひっきりなしに訪れる様々な人の悩みに触れるというのは、精神的にも肉体的にも相当に疲弊していくのでしょう。そして倒れていくなんて……めちゃくちゃエモい(現場の皆さんごめんなさい)。その後すぐに、倒れたお坊さんの代わりを他の企画のお坊さんが務めてくれているというメッセージを受け取り、再度、エモい、と思いました。

 担当者の感想は脇において、テクノ法要の傍らでこんなことが起こっていた、ということがこのレポートを通して少々でも伝われば幸いです。
 数十人のお坊さん、そして牧師さん、素晴らしい映像・音響クリエイターの方々と来場者のみなさまが作ってくださった「超テクノ法要×向源」へのご参加、ほんとうにありがとうございました。再度御礼申し上げます。来年も(おそらくあると思います)お待ちしております。

※「向源」は2011年から続いている寺社フェスティバルです。興味を持った方は→ http://kohgen.org/まで。