2016年にスタートしてから今年で7年目、ますます進化する「超歌舞伎」が、4月29日・30日、幕張メッセで開催されました。
主演の歌舞伎俳優である中村獅童さんとボーカロイドキャラクター初音ミクさんの競演で、両者の世界観が見事に融合する全く新しい形の歌舞伎作品として毎回話題を呼んでいます。今回は新作『永遠花誉功(とわのはなほまれのいさおし)』が登場。随所に新しい技術と試みが詰まった革新的な作品を2日間で約59.6万人、4月23日(土)から配信した過去作品5本と本公演を合わせネット総来場数約115万人を記録しました。
口上では裃(かみしも)姿の中村獅童さんから、「ただいまー!」という呼びかけと共に、今年も「超歌舞伎」が上演できる喜びと感謝が伝えられました。
コロナ前であれば会場から大向うが飛び交うところですが、残念ながら今は掛け声禁止。かわりに「ペンライトを振って声援を送ってほしい」と獅童さんが呼びかけると、求めに応じた観客がすぐさまペンライトを点灯。「これが超歌舞伎だよね」と笑顔を見せた獅童さんの言葉の端々には、しみじみとした嬉しさが滲みました。
今回の新作『永遠花誉功』は、中大兄皇子(後の天智天皇)が蘇我入鹿を討った「乙巳の変(いっしのへん、645年)」が題材。悪に立ち向かう金輪五郎今国(中村獅童)の活躍、ヒロイン太宰少弐息女苧環姫(初音ミク)が抱える秘密、帝位を狙う蘇我入鹿(澤村國矢)の巨大な悪を主軸に、苧環姫の母である太宰少弐後室定高(中村蝶紫)、入鹿家臣である宮越玄蕃(片岡千次郎)や荒巻弥藤次(中村いてう)、中納言安倍行主(中村獅一)といった個性的なキャラクターが物語を盛り上げました。
そしてより立体的に、よりクリアに、より繊細になった初音ミクさんの姿と動きも見どころのひとつ。
「ボクは生まれ そして気づく 所詮 ヒトの真似事だと 知ってもなおも歌い続く 永遠(トワ)の命 VOCALOID」……cosMo@暴走Pによる楽曲「初音ミクの消失」の歌詞からインスピレーションを得てつくられた今回のミクの役どころは、どんなにリアルな存在になっても、人そのものにはなれないボーカロイドの“さだめ”が重ねられ、より切ない風情と魅力を放ちました。
そしてこの公演最大のサプライズ、獅童さんの長男・陽喜くんが登場!
小さな体で勇ましく見得を切り、派手な立ち廻りをやってのける姿はスターの輝き。NTTが開発した超高臨場感通信技術「Kirari!」を活用した“分身の術”によって、分身し敵を惑わすという大技も披露。わずかな色の違いでも被写体と背景を識別して、リアルタイムに精度高く俳優の姿を切り出せるNTTならではのデジタル技術も堪能しました。
カーテンコールでは、獅童さんがライブコンサートのように客席を「もっと来い!」と盛り上げ会場はさらにヒートアップ。父親の動きを真似しているのか、陽喜くんが小さな手を揺らし、“煽り”のジェスチャーをしていたのも愛らしい。これぞエンターテインメント、大量の紙吹雪が降り注ぎ、最高潮の盛り上がりと熱狂の中いつまでも拍手が鳴り響きました。
会場にお越しいただきました皆様、ネットからご視聴いただきました皆様、誠にありがとうございました。
今年の夏は、本作を携え、福岡・博多座、名古屋・御園座、東京・新橋演舞場、京都・南座での公演も予定されています。
どうぞお楽しみに!
~ 歌舞伎 × ニコニコ × 最新技術の融合 ~
2016年から始まった超歌舞伎。
今年も更にパワーアップした新たな演目を上演します。
伝統・最新技術・ネット文化の異色のコラボレーション。
新たな舞台に刮目せよ!
4月29日(金・祝)【13時の部】13:00~/【16時の部 】16:00~
4月30日(土) 【13時の部】13:00~/【16時の部 】16:00~
幕張メッセ イベントホール
脚本 :松岡亮
演出・振付:藤間勘十郎
劇中曲 :「初音ミクの消失」/作詞・作曲:cosMo@暴走P
金輪五郎今国 中村獅童
太宰少弐息女苧環姫 初音ミク
太宰少弐後室定高 中村蝶紫
蘇我入鹿 澤村國矢
入鹿家臣宮越玄蕃 片岡千次郎
入鹿家臣荒巻弥藤次 中村いてう
中納言安倍行主 中村獅一
中村獅童
中村蝶紫
澤村國矢
片岡千次郎
中村いてう
中村獅一
会場への入場、及び観劇にはチケットが必要となります。
超プラチナチケット 14,300円
超アリーナ席 8,300円
※超会議入場券付きの価格となります。
今後の情勢を鑑み、政府機関・感染予防対策のガイドラインを遵守し、皆様に安心してご来場いただけるよう収容人数、会場における感染防止対策の準備を進めて参ります。
<DOOR>
今回の超歌舞伎も3D空間「DOOR」で観劇できます!一緒に応援しよう!
今回も、超歌舞伎の過去作品を配信いたします!
2021年上演の『御伽草紙戀姿絵(おとぎぞうしこいのすがたえ)』は通常版・音声ガイド付きの2バージョンでの配信が決定!
音声ガイド付きバージョンは、歌舞伎を初めて観る方にもわかりやすく、親しみやすい解説つきで作品をご覧いただけます。
この放送で歌舞伎のあれこれを学んで、今年の超歌舞伎もより楽しめるかも…?!
【超歌舞伎2016~2021 過去上演作品の振り返り放送】
4月23日(土) 2016上演『今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)』
4月24日(日) 2017上演『花街詞合鏡(くるわことばあわせかがみ)』
4月25日(月) 2018上演『積思花顔競(つもるおもいはなのかおみせ)』
4月26日(火) 2019上演『今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)』
4月27日(水) 2021上演『御伽草紙戀姿絵(おとぎぞうしこいのすがたえ)』
4月28日(木) 2021上演『御伽草紙戀姿絵(おとぎぞうしこいのすがたえ)』音声ガイド付きver.
今年の超歌舞伎もネット・リアルで様々な楽しみ方をご用意いたしました。
好きな場所で、心はひとつに盛り上がろう!
<応援グッズ>
今年も限定グッズを多数ご用意いたしました。
ペンライト等の応援グッズで、あなたも超歌舞伎の演出に参加できるかも…!?
<ギフト>
大向うや掛け声の代わりに、オリジナルギフトで応援しよう!
<DOOR>
今回の超歌舞伎も3D空間「DOOR」で観劇できます!一緒に応援しよう!